MLメンバーによる謎の文書
(パウダー末期中毒患者編)
  「禁断のジャンキーの世界へ」



「ヨーロッパ展開編その1」 前編でヨーロッパアルプスの世界をかいま見てしまった者も、海外だけで スキーをしているわけではないのだ。日常では日本でウイークエンド スキーヤーやっている。 が・・・ 日本のウイークエンドスキーの不条理に気がついてしまうのだ。  なぜリフトに30分もならぶのか!  なぜ30分も待つリフト代が4500円もするのか!  なぜヨーロッパの50分の1しか滑るとこがないのに同じ値段なのか!  なぜすべてのコブに人が立っているのか!  なぜコースの脇は柵があって立ち入り禁止なのか!  (クレバ〜スなんてどこにもないのだぞ〜ォゥォ〜) で、日常を省みずヨーロッパ逃亡を試みる。 今度は2回目、エスカレ〜トしてしまうのであった。 前回行ったバルディゼールより巨大な世界最大のスキーエリア、 そう「トロワバレー」なのだ。 しかも、それだけでは能がないということで スイスにも行ってしまうのです、全日程14日間の大旅行である。 かなり常軌を逸してきていますネ。 1日目 ナリタ〜アンカッレッジ〜ジュネーブ 2日目 ジュネーブ〜トロワバレー 3〜7日目 スキー(トロワバレー) 8日目 トロワバレー〜ジュネーブ経由〜ツェルマット 9〜12日目 スキー(ツェルマット) 13、14日目 チューリッヒ〜アンカッレッジ〜ナリタ と、壮大なものだ。 で、 日本人たるものアンカッレッジ(今はなき)でうどんすすって、 ジュネーブでラーメン食って、トロワバレーに侵攻だ。 トロワバレーの宿は、比較的庶民的なバルトランにとる。 いかにジャンキーといえ日常生活(特に収入という面で)を引きずって いるので、上流階級の行くクーシュベルなどには行けないのである。 とはいえちょっとしたスノッブ、最低ランクのレ・メニュールというわけ にもいかない。 バルトランに着いて驚き、町ですら木が1本もないのだ。 標高2300m森林限界の上なのだ〜。空気がうすい。 到着して晩飯食うと、日本人の常識すぐ寝てしまう。 現地夜20時=日本時朝4時 そして翌日スキー開始、ピステの雰囲気はバルディゼールと似ていて 快適にクルーズする。リフト1本当りの長さ、ここでは距離でなく 標高差だ...、もバルディゼールと変らない。まあその程度かと 思っていると、どっこい、どこまで行ってもスキー場の果てがない。 #ここは宇宙か??? などと妄想しながらピステマップを見ると、往復するのに2時間は かかろう谷3っつに渡ってリフトが架かっているではないか。 ここは無鉄砲なヨーロッパ初心者全ての谷の制覇にとりかかる。 ひたすら滑ってようやく昼過ぎ、最果ての、あこがれのクーシュベル にたどり着く。 ゆっくりと、フレンチスタイルだ〜などと訳の分からんこと考えながら、 昼飯食っていると、 「どこに泊ってるんですか〜」と日本語が聞こえてくる、 こんなとこでも日本人いるのだと、感慨を覚えながら 「バルトランです」と、答えると 「それだと、早く出発しないと帰れませんよ」と言われ、あっと驚く。 なんでも、ここはリフト止るとバルトランまでタクシーで2時間はかかると。 しかもリフトは終了時間になると、並んでいる人がいようとおかまいまく 止るとのことだ。 そそくさと、勘定すませて帰り始める。このリフトに乗れば帰り着ける というとこまで来てリフト終了時間をみると2分前。しかも夕方、帰る 奴が多いようで珍しくリフトは行列。大丈夫かとドキドキしながら並んで いると自分のすぐ後でフランス語が飛び交っている。なんだろうと不安を 感じていたら自分より後の列が無くなっているではないか。(注1) 真っ青になるも、かろうじてリフトに乗れ無事ホテルに到着。 第1日目が終わる。 (注1:本当にそうなのかは見確認、誰かチャレンジして確認してネ。) 2〜7の間ピステやオフピステを楽しむ。やはりフランス、日本で 楽しめるスキーの10000...倍楽しい。フレンチバカンスだ〜。 トロワバレーもバルディゼールにも日本でいくら滑っていても体験できない なにかがある。単にでかいだけではないという何かだ。 などと妄想が頭にうずまいてくると、 レストランで「h・ざhぇ・しゃぶり」(注2)などと口走って同行者に いやな顔をされてしまう。 (注2:「シャブリはありますか」という意味のフランス語) 8日目まだまだトロワバレーを制覇できていないが、ツェルマットに向かう のであった。 ヨーロッパ展開編その2に続く。 おことわり: この物語は私がよ〜く知っている誰かさんの経験をモデルにして書いて いますが構成の都合上実際とは異なっており、また事実と異なる内容、 間違った事例も含まれております。 (96.11.26)
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