MLメンバーによる謎の文書
(本家ぼやき師)
  「最辛、へそまがりスキー論&ぼやき」



「無能スキーヤー上達法、そにょ2」 初心者編。 さて、いよいよリフトに乗るわけであるが、その前に、である。確認事項であ る。まず、ストックで押しながらのプルークファーレン。なめくじプルークであ る。このとき、身体は曲がっていないか。根性はまがっていてもいっこうに問題 ない。かえって、スキー上達には好都合かもしれない。エキスパートに限って、 性格がわるいようだ。上のものには、絶対服従。下の者にはいじわるである。性 格の良い、好人物ではやっていけない世の中なのである。と、いう話しはどうで もよいのであった。 とにかく、身体をひねらずに、ちゃんと立って、自分の進む方向にまっすぐ。 である。身体のあまり細かい部分で意識しないほうがよいだろう。無能スキーヤ ーなので難しいことは、理解出来ないのである。 それができたら、ストックで押しながら、プルークを広げることを、覚えた い。次は、いよいよ斜面へと向かうわけである。だから、いままでよりも大きな 制動をできるようにしておくのである。徐々に最初のプルークを小さくしてい く。ストックも両スキーの内側から、一般的な外側へ。小さなプルークで、スト ックで元気よく2、3回連続して押してから止まれるようになれば、しめたもん だ。 さて、いよいよリフトにのる練習である。平地から緩斜面の下のほうを階段登 行で、2、3メートル登る。ここで下の平地に滑り込んで、制動プルークでとま る練習である。下を向くのに、ストックで支えて、踏みかえる方法が一般的であ るが、なにせ無能スキーヤーである。そんなおっかないことできまへん。この人 達にそんなことさせたら、支えきれずに、その場に崩れ落ちる。さらに今後、停 止のときストックで止まろうとするようになる。滑るときも、いつでもストック のリングを両方前に突き出してすべるようになる。リフト待ちで、こういうのに ストックで刺されたひとは、多いはずだ。 で、どうするか。慎重にゆっくり登ったら、速やかに山側にシュテムする。大 股開きだ。で、得意の両スキーの内側、後ろストックだ。これで、前述ように、 前後にそれぞれ支えができる。斜面で、じぶんを固定できた訳だ。無能スキーヤ ーは、保守的である。新しいことは、恐ろしいが、慣れていることには、ほっと するのである。さて、ストックで少しずつ押しながら、前へ。徐々に、斜面に正 対していけばいい。ストックの押し加減で向きが変えられる。理由はあるが、意 外に簡単だ。 最初はもちろん止まりながらでいい。でもじきに下の平地に滑り込んで止まれ るようになる。慣れてきたら、止まる前に一回屈伸運動をしてほしい。最初は小 さくでかまわない。練習してリフトに座った状態から立ち上がる運動を覚えた い。曲げるときは自分の筋力で耐えられる 角度を探りながら、ゆっくり。これ以上はヤバイ。と思ったら、「ちぇすとーお おおお!」と、気合諸共、いっきに思いっきり伸ばす。気合を忘れてはならな い。冗談ではない。気合である。まあ、掛け声の種類は好みで構わない。自分で 一番気合のはいる掛け声がよいだろう。「だーーーー。」とか、「ふんがー。」 とか、なんでもいいわけだ。無能スキーヤーは周囲の目を気にしてはならない。 いよいよリフトに乗るわけである。とりあえず、リフト乗り場までなめくじに なったりカニになったりしながら、たどりつく。乗り場の係りのおじさんに「あ のー、はじめてなんです。」と、はにかみながら、上目づかいに申告する。多少 のどたばたはあろうが、なんとかしてくれる。彼らもそれがお仕事なのである。 ストックをまとめろだのなんだの、細かく言えばいろいろある。搬機をゆするな だの、飛び降りるなだの、逆立ちをするなだの、排尿をするなだの。しかし、無 能スキーヤーである。そんなアクロバティックなことは、もともと不可能である から、心配いらない。搬機の上では、だまっていても石化している。リフトにの ったらとにかく、下りるときのことだけ考えている。 たったふたつのことである。一つは降り場につきそうになったらスキーをまっ すぐ平行にすること。降り場が見えてくると、不安があめあられと襲いかかる。 しかしスキーをそろえることに集中するといくぶん、ましである。 なんとか、降り場に着いたら、いよいよ気合である。「ちぇすとおおおーー ー!」と、掛け声をかけると、おお無能スキーヤーは、ハフハフの犬となる。ハ フハフとよだれをたらす犬のことである。あれ、ちょっと違うような。パブロフ だった。というわけで、いきおい良く、思いっきりたちあがる。やけくそぎみで 良いのである。これが重要、立ちつづけることだけだ。しゃがんでさえしまわな ければ、その先のことは考えなくても、うまくいく。気がつくと降り場の先の平 地でちゃんと停止している。無能スキーヤーとて、学習能力がある。しかも、他 になにもやっていないからできることしかできないのだ。習ったことがこれしか ない、運動パターンの貧しさの勝利といえる。 さて、いよいよすべり始める訳である。とりあえず斜面に出ていったら制動プ ルークで止まってみる。止まれそうもないようなら、斜面が急すぎる。迷うこと はない。スキーをはずして歩く。止まれそうな傾斜にきたら、ふたたびスキーを 履く。平地での最初と同様最初は一押しごとに停止。慣れててきたら徐々に、動 作を連続させる。大切なことは、必ずストックで推進しながら、滑走?、はいず りまわる?ことである。なにせ、無能スキーヤーとはいえ、これによって、コー スなり程度には自ら進行方向を変換できるからだ。 蛇足であるが、このストック推進による方向変換は、すでに次のプルークボー ゲンの練習となっている。片方のストックを強く押すことで、同じ側のスキーの インエッジは、比較的大きな圧力を受けることになる。さまざまな難しい動作に よってではなく、なんとも簡単な方法で消極的ではあるが、すでに荷重移動を体 験していることになる。 さて、くどいようであるが、プルークで真下を向いて止まれないような斜面 は、スキーをはずす。無能スキーヤーに博打は禁物である。 リフト一本滑るまでの滑走時間は、一日。控え目な数字である。うまくいけ ば、半日。そうなれば、午後には、同じコースを2、3回は滑れるようになる。 ただし、超無能スキーヤーを想定して、あくまで、一日とした。当然ここまでの 転倒回数はゼロ。一回転ぶごとに、倍の時間が必要になると思ったほうがいい。 調子よくいっていても、あくまで、無能スキーヤーであることを忘れてはならな い。 さてさて、次回はいよいよプルークボーゲン。 英語ではスノープラウターン。 それにしても、日本ではパラレルは、ターンで、英語。 プルークボーゲン、シュテムは、ドイツ後。 シュテムターンって、造語。 ややこしいたらありゃしないです。。 ちなみに、ドイツ語でパラレルは、シュヴンク。 プルークはボーゲン。 シュテムには、シュヴンクとボーゲンと、両方。 このへんにだってちゃんと意味があるのに。 なんかいいかげんなような気がするのは、私だけでしょうか。 ('96.11.18)

しばらく、休んでしまいました。 でも、来週は、A級社会体育教師検定講習で、東京。 いまのうちに、第10回。 ついに2桁到達です。 元祖○○さん、禁断△△さんも、がんばっておられるし。 無能スキーヤー上達法もいよいよ初級編。 予定では、今回は前編。 ますますあやしく、奇々怪々な練習方法で、超効率上達をめざすのでした。 くれぐれも、恥、外聞、見栄のようなものを捨ていただきます。 無能スキーヤーであることを自覚し、取り組んでいただくようお願いいたしま す。 さてさて、我等が無能スキーヤーもついにリフトに乗って、初心者コースを滑 れるようになった。方向変換は、ストックをつきながらで十分である。しかし、 奢れるものも、久しからず。慢心は禁物である。常に自分の限界を知り、その範 囲を越えてはならない。自分が斜面の下にまっすぐ向いて(フォールライン上 で)、プルークを広げて、停止できる範囲の斜度、スピードにとどめる。この条 件をしばしば確かめながら、あちこち、すべりまわる。この条件の設定を主観的 に行うことが、非常に大切だ。 ひととおり滑れそうな所をすべる。それがすんだらもういちど、同じ所をすべ る。安全は確認済みなので、こんどはここで、課題をひとつ。恐くない範囲で、 プルークを小さくする。もちろんちょっとずつでいい。また、怖いときには大き く、大丈夫とおもったら、小さくということでかまわない。最終的には止まると きの半分以下の大きさのプルークで通常すべれるようになればいいだろう。プル ークの内側に突いていたストックを、小さなプルークの時には外側に突けるよう にする。制動プルークから滑るプルークへと移行していくわけである。 さらに、ゆるやかなコブ、うねり、浅い新雪などにも出会えたらおなじ条件で トライする。つまりフォールライン上で制動プルークで止まれるという条件であ る。この条件さえ満たせば、どこへいっても構わない。ここでは、頻繁に大きい 制動プルークをおこなってスピードをコントロールする。応用なので、それでい いのだ。しかし、すこし滑れるようになって、嬉しいからといって、レストハウ スの中は滑らないほうがいいだろう。リフト線下から、乗り場へダイレクトに滑 りこむのも禁物である。リフトに乗ってくる他のスキーヤーが、かなりびっくり する。それに、まちがいなく係員に怒られる。スキースクールに入っていれば、 インストラクターが怒られる。さもないと自分自身が怒られる。そんなばかな、 というかもしれない。しかし、本当にあったことなのでしかたがない。無能スキ ーヤーの行動は、予想不可能である。要注意なのである。 それはさておき、次の段階へ進もう。自分が一番自身をもって滑れる斜面へい く。いよいよ練習課題らしい課題である。 まず、そにょ1を停止した状態でおこない、次に滑りながらおこなう。停止 は、制動プルークである。2、3も同様におこなう。 そにょ1、まず滑るプルークでまっすぐ滑りながら、自分の両足の裏の内側半分 でしっかりと立って滑る。ブーツの中で小指側を軽く持ち上げてやるといい。し かも親指側の角ではなく、あくまで内側半分の面でしっかりと立つことがこの段 階では重要である。その時の足裏の”感じ”をおぼえておく。 そにょ2、1の”感じ”をたもったまま、身体全体を右スキーの上にのせたり、 左スキーの上にのせたりしてみる。動作は非常にゆっくり。自分で自分の動作を 確認しながら。まっすぐ滑るつもりで行うが、向きが変わってしまっても構わな い。 そにょ3、身体を乗せかえるときに、頭と腰両方を動かすように注意しておこな う。立っている片足裏、内側半分の真上に頭、腰両方をのせて、バランスをとっ て立つのである。特に頭はうごかし易いが、腰は動かしにくいので意識して確実 に。また、1の、小指側を持ち上げている感覚がなくなりやすいのも注意点であ る。とにかく、1の感覚を第一に、動作をおこなう。 そにょ4、右でも左でもいい。ここでは便宜上、右スキーの上に身体を乗せたら その状態を保つ。おそらく、スキーは勝手に、左へと向きを変えていく。しかし 無能スキーヤーである。そうはいかない場合だってある。あわてずさわがずスト ックに頼る。慣れた方法である。右ストックで強くこいでやるのだ。ちょっとき っかけをつかめば後はうまくいく。ターンをはじめたら、右足の上でのバランス を保っていればスキーはターンしつづける。で、自然に止まってもいいし、制動 プルークをしてもいい。 反対側も同様におこなう。 そにょ5、4と同様であるが、こんどは止まるときにできるだけスキーのトップ を山のほうに向けるようにする。ところが無能スキーヤーは、なまけものである ことがおおい。スキーがすこし横をむくと安心してしまう。で、ここで肝心の動 作をやめてしまう。スキーはあくまで、下へ向いていなければならないとでも、 思っているのか。おろかものめ。斜面の下に目標をさだめているのでそれ以上曲 がらないのだ。まがりはじめたら、視線を徐々に下、横、山側と移していただこ う。というわけで、ここが重要である。ここでも、ストックの助けを借りること もいいだろう。 そにょ6、おまけである。うまく行くようになると、スキーのトップがテールよ り高い位置で停止するようになる。ここでこのままでいると、後ろにすべりだし てしまう。そこで停止と同時に後ろにストックを突き、踏み変えて、滑っていか ないポジションにもどる。 そにょ7、以上のような練習を左右にくりかえす。斜面に”J ”と”逆J”を 描く練習だ。 最初は大きな浅いもの。だんだんと深いものにしていく。最後には比較的小さな 深い”J”である。徐々にまっすぐ滑る部分のスピードをあげることでより、深 い”J”を描くことが可能になる。スピードをだすのが目的ではなく、よりスキ ーをまわしこむのが目的である。 そにょ8、左右に繰り返せるようになったら、つなぎの踏み変えをすばやく行 う。さらになれてきたら、完全に停止する寸前に得意のストック推進を利用し、 谷側へ向きを変え反対側に。さらに慣れてきたら、もうすこし速度がのこってい るあいだに次にはいる。 以上、「明日のために、そにょ1」 である。このまえまでは、無能スキーヤ ーの停止方法は、制動プルークのみであった。しかし今日、新たなる手段を手に したのである。この”Jストップ”でとまれる斜面なら、どこでも滑れるのであ る。ここでも自分の滑れる状況の主観的判断が可能である。 つまり、新たな斜面の上にたったら、とりあえず、一回試みる。うまくJを描 いて止まれたら、そこは滑走可能と判断して良い訳である。もちろん個人差はあ る。ここまでくると、無能なりにも、コツをつかむふとどきものもいる。いつの まにか内スキーのエッジがかえっていたりする。プルークスタンスでありなが ら、技術要素的にはパラレルのそれになっていたりする。当然この方が、適応範 囲はひろい。より急な斜面で通用するはずだ。 しかし、あわてることはない。この段階では、内エッジのかえらないままでか まわないのである。内エッジがかえってしまって、スキーが山側へ向きをかえる ことを止めてしまうことの方が問題である。スキーがしっかりとずれながら、停 止するまでおなじまわりかたで、山まわりを続けられることが、目標である。山 にむけてまわっていくから、山まわりなのである。途中で垂れ流しになるのは、 しょんべんまわり。とかいって。 蛇足であるが、関連して。シュテムボーゲン(Stemm Bogen)とシュテムシュヴ ンク(Stemm Schwung,Stemm Schwingen)の違いである。その昔、習ったところで は、方向変換中の内スキーのエッジの切り替えが、ないか、有るかのちがいであ る。シュテムボーゲンでは、プルークボーゲンで十分にまわってから、内スキー を引き寄せて、斜滑降。シュテムシュヴンクでは、プルークでまわり始め、まわ りながら引き寄せて、さらにまわしこむ。 技術要素的にいうと、シュテムシュヴンクは、パラレルシュヴンクでの要素を 片足ずつ順番におこなうものである。対して、プルークボーゲンとシュテムボー ゲンは、内スキーの操作において、パラレルシュヴンクと決定的に異質といえ る。 しかし、無能スキーヤー上達法では、この辺はどうでもいい。シュテムボーゲ ンらしいシュテムボーゲンなんてやらない。また、シュテムシュヴンクらしいシ ュテムシュヴンクだってやらない。この辺の使い分けだの、正確な操作だのは、 これらの技術要素ができるようになってから、やればいいことである。さいしょ からちゃんとしようとすると、無能スキーヤーの頭の中は真っ白になってしまう のである。 さてさて、次回は初級者編、後編。徐々に、実際に使える練習問題になっていき ます。 今回のも、中、上級者にもけっこう使えます。 体軸がつかみにくくなってたりしたら、ちょっとためしてみてください。 ('96.11.27)
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「エクストリームカービング番外編?そにょ1」  かーびんぐ? かーびんぐゆうたら、こおんな大きい石持ってねぇ。氷の上さっさか掃いたりし てねぇ。  それはあんた、「カーリング!」でんがな。
なんて話しはほんとにあったお話しで、先々シーズンまではあんまりポピュラー じゃなかったのである。最近ではスキーのトーション、フレックスの理想的で幅 広い設定が可能となった。で、こんなサイドカットのスキーがでてきちゃったっ てわけである。  もっともサイドカットの小さくなる傾向は大回転用のスキーですでに5、6年 前から。そのころ斜滑降をしてみたら、斜滑降にならない。サイドカットとたわ みで弧を描いてしまうではないか。そういうわけで、緩斜面で遊びはじめたので ある。当然50メートル超のサイドカットでちゃんと曲がるには普通のスピード だとエッジを思いっきり立てなくてはならない。骨格の許す限りの外傾を膝、腰 から作り出すために窮屈な低い姿勢で滑っていたのである。これだけでも十分あ やしい。  徐々にスピードを上げてもできるようになる。4年前からは我がアトミックも キャップ構造となりカービング対応になった。R40メートル台だっただろうか。 それまでのアトミックといったら「重い、硬い、曲がらない」の三拍子そろった 素晴らしい板であった。いやみではない。そういう板が本当に好みだったのであ る。そんなにパワーの有るスキーヤーとは思わないが、とにかく柔らかい板イコ ールねじれに弱いという認識があった。硬かろうが、重かろうが、ねじれに強く てさえくれれば、ちゃんと踏めば曲がるのである。曲がらないのは乗り手が悪い と思っていたのであった。  ところが、である。このアトミックのキャップ構造は画期的といえた。しなや かで、しかもねじれに強いではないか。結果、よりサイドカットを深めることに 成功したのだろう。まあ他のメーカーも同じ傾向であっただろう。そのころから は、いよいよ大回りで急斜面でもカービングをきめるようになってきた。正直に お話しするが、実は恐ろしかったのである。身の毛もよだつようなスピードであ った。  このスピードで、二度コケたことがある。一度は下の緩斜面に滑り込んで。ふ とリフトの上をみるとうちのバイト君。一瞬のよそ見が命取りであった。進行方 向に視線をもどすと目前に、ひとりのじーちゃんが。既に完全にかわすのは不可 能な距離。かつての緒先輩のことばが、脳裏をよぎる。「スキーのトップを相手 のブーツへ!」。反射的に実行。こちらの両スキーはなんの衝撃も感じないまま にきれいに開放。どのくらい空中をとんだかわからないが、転がり落ちてみれば 衝突地点から20メートル以上はなれていた。瞬時にかけ戻って、土下座。おも いっきりあやまったが、先方も事の次第に合点がいかない様子。なにがおこった かさえわからなっかったようだ。すぐ許してくれた。じーちゃんのスキーももち ろん開放したが、その場で尻もち状態。たいしたことなさそうだったとか。リフ トから見ていたバイト君の話しである。スキー外れて飛んでくのは見たことあっ たが、人間が飛んでくのは初めてみたとかでウケてしまったのである。とにかく 大事にならずほんとに良かった。改めて反省。  もう一回は友達のオーストリーデモ、パスカル・ハスラーにだまされたのであ る。先々シーズン彼が乗鞍にあらわれたとき、誘われて一緒にトレーニング。や けにコンパクトにカービングをしやがった。くやしくて、そのあと同じターン弧 を、一人で秘密練習。強引に倒し込み、たわみをつくりそれに近いターンが成功。 しかしスピードは上がるわ、板の反りはおもいっきりクイックになるわ。で、制 御不能でもんどりうって転倒。整地でスキーの動きに追い付けずコケたのなんて 最近の記憶にないのである。斜面は思いっきりハード。もちろん高速であるから、 ころがりながら30メートルくらい止まらなかった。顔面はすりむくは、ケツは 青くなるは、散々であった。  次の日、顔の傷をみつけてパスカルがにやにやしながら、「どーしたの」って いうから事の次第を説明。おおわらいされてしまったのである。で、「これはい てみな。」っていわれたのが彼の次のシーズンモデルのヘッド。と、なんと目指 すターンがあっさりできるではないか。カービングスキーとの出会いであった。 これこそあの一世風靡の「サイババ」じゃなくて「サイバー」だったのだ。  てなわけでそにょ1はこれまで。次回につづく・・・・なのである。
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