<現在使われている雪崩ビーコンについて>


トラッカー、アルバ9000、RED457またはマムートに示されるデジタル式ビーコンの発売とともに、 雪崩ビーコンの世界も大きく変わろうとしている。 デジタル式ビーコンの特徴は、アナログ式に比べ初心者でも簡単に扱える点である。 初動検索の方法が埋没者のピンポイントを探して掘ると言う方法から、埋没者のおおよその位置まで割り出したら ゾンデとシャベルで掘った方が早いと言う点に注目して、ピンポイントのこだわりを無くした。 この点では、ゾンデ、シャベルの選択も考慮すべきである。 デジタル式ビーコンに問題がないかというとそうではないから、この点に触れておきたい。

1)受信感度が低い。
この問題は雪崩現場の観察が出来れば、埋没者の位置の推定を行えるから受信するまで直線的な接近をすれば解決する。 難しい場合は、視界がないとき、雪崩事故の現場が複数で埋没した可能性の範囲が広い場合である。
2)ピンポイントの検索には、慣れと電波の特性(三次元)を理解する。
3)アルカリ電池の性能に限界がある。
低温下(概ね-10℃を基準)でも性能の低下、受信感度が更に下がる。信号音が小さくなるなど。
4)オルトボックスm1の場合、-23℃、30分の外気で液晶の表示無し、受信音無しで、全く反応しない。 これは時間をかけて常温にもどしたが、現在発信のみで受信機能は回復しない。
5)RED457とマムートとは、同一製品である。
これはいくつかの改善が必要である。 一つはスイッチが小さく凹んでいるため、最初のトラッカーと同様押しづらい。 また、受信と送信の切り替えが、3回連続に押す、2秒以上押すと言う方法は、 平常心を欠いた検索者に適していない。 受信からの方向の表示は、距離の表示を簡潔にした方がよい。 距離表示が一旦戻るのは紛らわしい。 -5.5℃、一時間の使用は問題なかったが、小さくしたために単4型電池の使用となった。 これは、専用のケースに入れるため、着脱が容易で、検索時に手間がかからない。

雪崩講習会代表  中山 建生 (2000.3.15)

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