<電波誘導法の手引き>
◆雪崩ビーコンを使いこなすために以下のとおり練習してみましょう。1)各部名称は取り扱い説明書を見てください。
2)用意する人と物 2名以上 雪崩ビーコン2台以上。
3)テストする場所 雪山(雪崩の危険のない場所)。
海岸、公園などの電波障害の少ない場所。
4)ビーコンの持ち方 取り扱い説明書をみてください。
5)ビーコンの外し方。慣れないとこれに時間がかかる。
実際の捜索を考えて装着したビーコンを外すところから練習する。
◆ビーコンの目盛り表示と実際の距離の違い
表示される50m,30m,10m,2mの距離は、
実際の距離と異なります。また、ビー
コンを使う気象条件によっても距離の
違いが生じます。
およそ○○mという目安として理解し
てください。このことは送信源に対す
る受信感度の表示です。
◆距離の表示と赤色LEDの点滅
50mレンジ:このレンジでLEDが1個もつかなければ、この付近にはいないことを意味します。 以下、LEDの表示を説明します。○○○ 埋没者(発信ビーコン)はいない。
●○○ LEDが1個つけば、前方に、または
50m以内に埋没者がいることになります。●●○ LEDが2個つけば、埋没者は前方にいます。
距離の目安としては、50mと30mの中間点で、
埋没者に近付いています。●●● LEDが3個つけば、埋没者は前方におり、
30mのレンジの範囲に入った時です。
したがって、30mのレンジに切り替えます。30mレンジ:50mレンジでLEDが3個ついたら、
30mレンジに切り替えます。●○○ LEDが1個つくことは、50mレンジで●●●
= 30mレンジ●○○ということです。●●○ さらに接近すると、LEDは2個つき、
やがて3個つきます。●●● 30mレンジでLEDが3個ついたら、10mレンジに
切り替えます。これは、30mレンジで●●●
= 10mレンジ●○○ということです。10mレンジ:あなたは埋没者まで10m以内に近付いています。
●○○ LEDが1個ついた方向にゆっくりと進んでください。
●●○ さらに接近すると、LEDは2個つきます。
●●● 10mレンジでLEDが3個ついたら、あなたが進んで
きた方向の約2m先に埋没者が居ます。このことは、あなたの持っているビーコンを中心として半径約2mの
上下、左右、前方の半球(立体的=三次元)の範囲のなかに埋没者が
いることになります。2mレンジ:あなたの進んできた方向で、すぐ傍に埋没者が居ます。
平坦な地形でビーコンを埋めずにテストをすると、前記のようにLE
Dは、1個から3個と順についてゆきます。
しかし、雪崩埋没者は足元近くに埋まっているため、その深さが2m
以上なら信号を感知しないでしょう。
このような場合には、10mレンジでLEDが3個つかないかも知れま
せん。これは雪のなかで確かめてみましょう。
最後のピンポイントの捜索には、ビーコンの向きを変えずに、雪面な
いしは地面に膝をついて、ビーコンを雪面に触れるようにして、体に
添って前から後へ、このときLEDが3個つくようだと、ビーコンの
位置から30cm、つまり真下にいることになります。
位置の推定は、更に体の前で右から左へとゆっくりとビーコンを振り、
二つの交点ないしは、これに近い位置に埋没者がいます。
2mレンジでの捜索は、以前ピンポイントを探らせましたが、ゾンデを
併用して感触をえる動作を加え、すみやかな発見が出来ることから、
敢えてピンポイントにこだわらなくて良いとしました。
このことは2mレンジでの捜索があいまいで良いという意味ではありま
せん。
さあ、ここまでのことを練習をしてみましょう。
ビーコンのレンジの切り替えに慣れる。
1.それぞれのビーコンを受信(捜索体勢)位置にして、片方は発信にする。
発信用のビーコンがある場合には、各自が受信にして良い。
ビーコンの外し方を練習する。
2.この距離は、60m以上とする。50mレンジでLEDが点滅しない距離を取る。
Aはビーコンの50mのレンジでLEDが点滅しないことを確かめる。
3.Aはビーコンの50mのレンジにしたまま、Bに向かって真っすぐに進む。
4.AはBに向かって接近すると、LEDが点滅することを確かめる。
距離表示と赤色LEDの点滅の項を参照すること。
LEDの点滅とレンジの切り替えをテストする。
ビーコンの操作は何回も練習することで電波の指向性と特性について学ぶこ
とができます。